相続・遺言関係

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Ⅰ-1 特別受益とは

特別受益は、「遺産の前渡し」としての性質を持つものとみなされます。

①遺贈

②婚姻、養子縁組のための贈与

③生計の資本としての贈与(大学の学費、不動産の贈与、動産・金銭・有価証券の贈与など)

これらのうち①②はあまり問題になりません。しかし、③の生前贈与(特別受益)については、判断がしにくく、しばしば紛争の原因となります。又特別受益には制限がないため、何十年も前の古い話が持ち出されることがあり、証明できないことも多くあります。実際、家庭裁判所で特別受益が争われても判断はケース毎に分かれており主張が認められている例は少ないようです。(だから、裁判沙汰にならないために、遺言書が必要となるのですね。)

 

Ⅰ-2 特別受益の持戻しと持戻し免除

相続財産の法定相続分自体は、民法で一定の割合で決まっています。しかし実際は(ア)「一部の相続人が被相続人の生前に何千万円ももらっていたり」、又反対に(イ)「被相続人に経済的援助をしてきた相続人がいたり」様々なケースがあります。(ア)を特別受益 (イ)を寄与分と呼びます。

このような場合に、法定相続分で分配すると不公平になります。そこで法律は、遺言のない法定相続の場合でも、特別受益や寄与分の範囲で相続分を修正することを認めています。つまり相続分を計算するときは、特別受益については相続財産の額に戻して(特別受益の持戻しといいます)、又被相続人に与えた利益である寄与分は相続財産から除外することになるのです。

そして、特定の相続人への生前贈与などが特別受益に当たるとしても、被相続人は遺言等で特別受益の持戻しをしないという意思表示をしている場合があります。これを特別受益の持戻し免除といいます。

これは、遺言外で黙示の意思表示でも行えますが、もめ事をなくす意味でも遺言や証拠とできる書面で明確にしておくことが重要です。(とにかく、遺言があれば面倒なことは回避できます。)

 

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