相続・遺言関係

Ⅱ-1

寄与分について

相続人が、被相続人の生前に相続財産の維持や増加に貢献した場合、その貢献が「寄与分」(特別な寄与)として認められれば、寄与者は寄与分を控除した相続財産についての相続分と、寄与分として認められた財産を合わせて取得することができます。

※昭和55年の民法改正で寄与分制度が導入されました。

『相続財産からのマイナスは特別受益で、相続財産へのプラスは寄与分で調整を行うことができるようになりました。』

 

Ⅱ-2

寄与分の定義

寄与分が認められるためには以下の要件を満たす必要があります。

 ①共同相続人による寄与行為であること

 ②特別の寄与であること

 ③その寄与によって被相続人の財産を維持又は増加され、寄与行為と  の間に因果関係があること

①共同相続人による寄与行為であること

相続人以外の第三者が遺産の形成に貢献していたとしても、その人に寄与分は認められません。 (ただし法定相続人の配偶者の行為などについて寄与分が認められるケースがあります。(後述))

②寄与行為が特別の寄与であること

寄与分が認められるためには「特別の寄与」であるかどうか重要であり

 ・報酬が発生しない「無報酬」

 ・長期間にわたって従事してきた「継続性」(概ね3~4年)

 ・片手間で行っていない「専従性」

といった要素が「特別な寄与」の認定に当たって重要なポイントとなります。

③寄与分が認められる事例

寄与分が認められる事例としては以下のような事例が考えられます。

 ・被相続人の事業に関する労務の提供

 ・被相続人に対する財産上の給付

 ・被相続人の療養看護等を行ってきたケース

 ・相続人が被相続人を扶養して財産の維持形成に貢献したケース

 ・相続人が被相続人の財産管理をすることによって管理費用の支払いが不要になった場合など

 

Ⅱ-3

特別寄与料制度

上記で説明してきたのは相続人に対するものであり、相続人でない親族は被相続人に貢献しても寄与分として相続財産を手にすることはできません。

しかし、平成30年の相続法改正で、相続人以外の親族による介護など、貢献や寄与を評価する制度(特別寄与料)が創設されました。

特別寄与料制度では、被相続人の介護や事業への労務の提供を相続人以外の被相続人の親族(相続人の配偶者など)が行った場合に、貢献した親族から相続人全員に対して寄与に応じた額の支払い請求権が認められることになりました。

ただし、相続人と特別寄与者の間で協議が調わないときは、相続開始及び知ったときから6ヶ月以内又は相続開始1年以内のいずれか短い期間内に家庭裁判所への申し立てを行わなければなりません。

 

 

 

 


寄与分・特別寄与料について