《遺言方式について》
3つの遺言方式を比較
遺言には、それぞれ作成方法やメリット、注意点があります。
2026年の民法改正により、従来から主に利用されている自筆証書遺言・公正証書遺言に加え、デジタル技術を活用した**「保管証書遺言」**が新たに創設されることになりました。(遺言の方式には他に「秘密証書遺言」もあります。)
ご自身の状況や希望に合った方法を選ぶことが大切です。
01 自筆証書遺言
自分で手軽に作成できる遺言
作成方法
原則として、遺言者本人が遺言の全文・日付・氏名を自書して作成します。
メリット
費用をほとんどかけず、自分の都合のよい時に作成できます。
注意点
形式に不備があると遺言が無効となる可能性があります。また、自宅で保管すると紛失や改ざんなどの心配があります。
法務局の**「自筆証書遺言書保管制度」**を利用すると、遺言書を法務局で保管してもらうことができ、相続開始後の家庭裁判所での検認も不要になります。
02 公正証書遺言
確実性を重視したい方に適した遺言
作成方法
遺言者の意思に基づいて公証人が作成し、原則として証人2名の立会いのもとで作成します。
メリット
公証人が関与するため、方式の不備によって無効となるリスクが低く、原本も公証役場で保管されます。
注意点
公証人の手数料が必要となるほか、証人の手配など一定の準備が必要です。
「確実な遺言を残しておきたい」という方に適した方法です。
03 保管証書遺言〈新制度〉
パソコン等で作成できる新しい遺言方式
2026年の民法改正により、デジタル技術を利用した新しい遺言方式として**「保管証書遺言」**が創設されることになりました。
作成方法
遺言の内容をパソコン等を利用して作成することができ、電磁的記録または書面による方式が予定されています。遺言者本人が法務局で所定の手続きを行い、遺言書保管官による本人確認や遺言全文の口述などを経て保管されます。一定の場合にはWeb会議の利用も認められる制度となっています。
メリット
全文を手書きする必要がなく、法務局で保管されるため、紛失や改ざんの防止につながります。また、相続開始後の家庭裁判所による検認も不要となります。
注意点
保管証書遺言は、現時点ではまだ利用できません。
施行日は、2026年6月24日の公布から3年以内に政令で定められる予定です。
新しい制度のため、実際に利用できる時期や具体的な手続方法については、今後の政令・省令等をご確認ください。
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保管証所遺言は未だ定まってはいません。自筆証書遺言書保管制度と似かよっていますので違いをまとめたいと思います。
〇自筆証書遺言書保管制度と保管証書遺言の違い
どちらも法務局で遺言書を保管しますが、遺言書の作成方法や手続が異なります。
自筆証書遺言書保管制度は、ご本人が手書きして作成した自筆証書遺言を、法務局で保管する制度です。
保管証書遺言は、パソコン等で作成した電子データや書面について、法務局で所定の手続を行う、新しい遺言の方式です。
| 比較項目 | 自筆証書遺言書保管制度 | 保管証書遺言〈新制度〉 |
|---|---|---|
| 制度の位置づけ | 自筆証書遺言の保管制度 | 民法に新設される遺言の方式 |
| 本文の作成方法 | ご本人が手書きする | パソコン等で作成でき、本文の手書きは不要 |
| 財産目録 | 所定の要件を満たせば、パソコン作成や通帳のコピー等も利用可能 | 本文とともに電子データや書面で準備できる |
| 法務局での手続 | ご本人が出向き、本人確認と形式の外形的な確認を受ける | ご本人が原則として遺言の全文を口述するなど、所定の確認を受ける |
| 全文の口述 | 不要 | 原則として必要 |
| 保管 | 紙の原本を保管し、画像データも管理する | 電子データや書面を法定の方法で保管する |
| 家庭裁判所の検認 | 不要 | 不要 |
| 主な利点 | 手書きした遺言書の紛失・隠匿・改ざんを防ぎやすい | 手書きの負担を軽減しながら、法務局で保管できる |
| 利用開始 | 2020年7月10日から利用可能 | 2026年9月現在は未施行で、まだ利用できない |
自筆証書遺言書保管制度では、法務局が形式を外形的に確認しますが、遺言の内容や有効性を保証するものではありません。法務省「遺言書保管制度とは?」
保管証書遺言は、2026年6月24日に公布された改正法により創設されます。施行日は、公布から3年以内の政令で定める日です。電子データ等での作成・保管に加え、ご本人による口述などの手続が必要になります。法務省「民法等改正法について」、e-Gov「法務局における遺言書の保管等に関する法律」
名前は似ていますが、別の制度です
手書きした自筆証書遺言を法務局に預けても、「保管証書遺言」に変わるわけではありません。 あくまで、自筆証書遺言のまま保管されます。
また、新しい保管証書遺言も、パソコンで文章を作って保存するだけでは成立しません。制度開始後、法律に定められた確認・保管手続を行う必要があります。
どちらの場合も、「誰に、どの財産を、どのように残すか」が明確に伝わる内容を準備することが大切です。
※2026年9月時点の情報です。新制度の具体的な申請方法や手数料等は、今後の法務省の案内をご確認ください。
お問い合わせ先 みやざき行政書士事務所
〒857-0843 長崎県佐世保市大黒町12-19
